[技術コラム 第三回]
ストリーミングサーバなど、各種サーバや各種入力に対応した特徴のある
ALTHAEA シリーズのプレーヤを解説。
プレーヤ(動画再生機能)
第2回の紹介から時間が経ってしまいましたが、第3回はプレーヤ(動画再生機能)の紹介をします。
プレーヤというのは動画を再生する機能のことで、PCではWindows Mediaプレーヤ、Quick Timeプレーヤなどが有名でご存じかと思います。PCのプレーヤは、ソフトウェアで構成されていてハイビジョン(以下、HD)解像度の動画再生には、最新の速いCPUやビデオカードが必要になります。 一方セットトップボックス(STB)では、低消費電力化、低コスト化のためにPCのような高速なCPUなどを使用しません。このためECCLEシリーズでは、セットトップボックス(STB)ならではの技術によりHD動画再生に対応しています。
またプレーヤは、動画データを外部の様々なストリーミングサーバから受け取ることや、セットトップボックス(STB)内部の記憶メディア(HDDなど)から読み出すなど各種入力方法に対応させる必要があります。この各種サーバへの対応もプレーヤの特徴の1つになります。
それでは、ECCLEシリーズのプレーヤを紹介していきましょう。
高性能動画デコード

現在流通している動画は、MPEG-2、MPEG-4 AVC(H.264)、Windows Media Video(以下、WMV)といった動画圧縮方式(コーデック)を使用して、動画の圧縮を行っています。動画を再生するためには、圧縮された状態から元のデータに展開(デコード)する必要があります。
先ほど述べたようにセットトップボックス(STB)では高速なCPUを使用しません。このため通常セットトップボックス(STB)では、動画をデコードするためにハードウェア(専用LSI)を使用します。当社のECCLEシリーズでは、米国シグマデザインズ社のものを使用しています。シグマデザインズ社のデコーダは、MPEG-4 AVC HDへの対応を始めMPEG-2 HD、WMV HDなど様々なコーデックに対応していますが、その分使い方も複雑で、使いこなすには技術ノウハウが必要となり、高品質な動画再生をするためのポイントの一つです。
ストリーミング方式

動画データをネットワークからストリーミング配信する方法は主に、セットトップボックス(STB)側からの要求に従ってデータをユニキャスト配信するVOD(Video On Demand)と、TV 放送のようにデータを多数のセットトップボックス(STB)にマルチキャスト配信するIP放送があります。データを予めセットトップボックス(STB)のHDDなどに配信してから再生する方法もありますが、これはダウンロード型配信といい、ストリーミングと区別しています。
VODでは、ストリーミングサーバとセットトップボックス(STB)間で1:1のユニキャスト通信によるデータの受け渡しのために、RTSP/RTCP/RTPといったプロトコルを使用します。このとき、ストリーミングサーバは、動画や音楽データを、再生する側が必要とするデータ量にあわせて、データをリアルタイムにネットワークに送出します。
ストリーミングサーバは、一般的にはRTSPなどのプロトコルを使用してデータの送出制御を行いますが、サーバ毎に異なる方言が多く、セットトップボックス(STB)側ではRTSPなどのストリーミングプロトコルスタックを共通で使用することが出来ません。当社ECCLEシリーズでは、サーバメーカ各社のご協力により各サーバへの対応を行ってきた実績があり、新規ストリーミングサーバへの対応も容易に行うことが出来ます。
一方IP放送では、ストリーミングサーバは決まった時間に決まったコンテンツを、宛先を特定せずにマルチキャスト配信します。しかしこのままではネットワーク上すべてにデータが流れてしまい、トラフィックの増大でネットワークが渋滞してしまいます。これを防ぐために、ネットワークの中継をしているルータに、セットトップボックス(STB)からIGMPやMLDといったプロトコルを使用して必要なネットワークセグメントにだけデータを流すように制御します。
一般的な商用ネットワークでは通常IPv6ネットワークでなければ、マルチキャスト配信が出来ません。当社では早くからIPv6ネットワーク上でのマルチキャスト配信への対応をしています。
現在の商用ネットワークでは、ネットワーク途中でのデータの損失が発生しても、TCPプロトコルを使用したユニキャストのVOD以外では、データが届いたかどうかの確認を行えません。このためマルチキャストによるIP放送を実施するには、FEC(Forward Error Collection)などの技術を用いてデータの補完を行います。ただしFECでは元々の動画データに対して冗長なデータを付加しますので、ネットワークを流れるデータ量が増えてしまうというデメリットがあります。
なおECCLEシリーズでは、一部のサーバに対応したFEC機能を組み込んでいます。
以上のように現在のネットワークでは、IP放送には不向きな面もあり次世代のNGN(Next Generation Network)では、データを保証するためQOS(Quality Of Service)が取り入れられています。現在、地上デジタル放送の再送信などのサービスに向けて準備が行われているNGNをターゲットとしたIPTVサービス(IPSP)では、より高品質で統合されたサービスが受けられるようになるでしょう。
次回(第4回)は、現行のECCLEシリーズから少し外れますが、IPTVサービス(IPSP)のベースとなるBMLブラウザなどの技術について紹介します。







